甲賀忍法帖―山田風太郎忍法帖(1):山田風太郎
2005年 10月 03日
先日学生さんが何気なくこの本を貸してくれた。
はじめは子供向けの時代ファンタジー物だと思っていた。
しかしはじめの5ページくらいで物語に引き込まれてしまった。
これが滅法面白い。
立ち会いの間合いを尺貫法でなくメートルで表してみたり、とある忍者の忍術を白血球の血管透過現象に例えてみたりと、時代小説としは色々と型破りなスタイルで書かれている。
様々な忍術に対し、現代的かつ科学的な解説を多々加えてあるので荒唐無稽と思われがちな忍者同士の対決に新鮮なリアリティーが与えられている。
そして忍者達は(基本的には)一対一の尋常の勝負で敵と対戦し、倒し、倒されていくのだ。
彼らは伊賀者・甲賀者としての矜持を忘れることなく、一命を賭して勝負に挑む。
その姿はまさに士だ。
この小説は忍術を駆使した立ち回りの面白さもあるのだが、陰謀あり、サスペンスあり、ラブストーリーありの素晴らしいエンターテイメントに仕上がっている。
五十年を経た作品とは思えないほど新鮮な面白さがある。
敬遠しがちな本ではあると思いますが、ぜひ手に取って読んでみることをお勧めします。
貸してくれた学生さんに感謝。
---
この本を読んで気付いたことがある。
最近いわゆる時代物、特に剣客物の小説を良く読んでいる。
小説の中で剣豪達は皆一様に二尺六寸ほどの身幅の厚い豪剣を軽々と振り回し、かすり傷一つ負わずに二重三重の敵をばったばったと倒していく。
刀筋は鋭く、敵が気付く前に斬られていることも珍しくない。
刀は恐ろしいほどの切れ味で、気に入らない敵は真っ二つ。
人間の所業とは思えない、正に神業。
忍術も然り。
剣術家同士の戦いが面白いなら、忍者同士の戦いが面白くないわけが無い。
はじめは子供向けの時代ファンタジー物だと思っていた。
しかしはじめの5ページくらいで物語に引き込まれてしまった。
これが滅法面白い。
立ち会いの間合いを尺貫法でなくメートルで表してみたり、とある忍者の忍術を白血球の血管透過現象に例えてみたりと、時代小説としは色々と型破りなスタイルで書かれている。
様々な忍術に対し、現代的かつ科学的な解説を多々加えてあるので荒唐無稽と思われがちな忍者同士の対決に新鮮なリアリティーが与えられている。
そして忍者達は(基本的には)一対一の尋常の勝負で敵と対戦し、倒し、倒されていくのだ。
彼らは伊賀者・甲賀者としての矜持を忘れることなく、一命を賭して勝負に挑む。
その姿はまさに士だ。
この小説は忍術を駆使した立ち回りの面白さもあるのだが、陰謀あり、サスペンスあり、ラブストーリーありの素晴らしいエンターテイメントに仕上がっている。
五十年を経た作品とは思えないほど新鮮な面白さがある。
敬遠しがちな本ではあると思いますが、ぜひ手に取って読んでみることをお勧めします。
貸してくれた学生さんに感謝。
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この本を読んで気付いたことがある。
最近いわゆる時代物、特に剣客物の小説を良く読んでいる。
小説の中で剣豪達は皆一様に二尺六寸ほどの身幅の厚い豪剣を軽々と振り回し、かすり傷一つ負わずに二重三重の敵をばったばったと倒していく。
刀筋は鋭く、敵が気付く前に斬られていることも珍しくない。
刀は恐ろしいほどの切れ味で、気に入らない敵は真っ二つ。
人間の所業とは思えない、正に神業。
忍術も然り。
剣術家同士の戦いが面白いなら、忍者同士の戦いが面白くないわけが無い。
by 306stylepremium
| 2005-10-03 11:39
| 読書