真面目に取り組んでみようと思いっている。


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藤沢周平“漆の実のみのる国”(上下)

a0037073_1052640.jpgこのところ非常に忙しい上に、マックが絶不調。
しかし通勤時間を利用して読書は続けています。

今日紹介するのは藤沢周平“漆の実のみのる国”。
藤沢周平の遺作となった作品です。
極貧に喘ぐ米沢藩を救おうと心血を注いだ藩主や重臣達の奮闘が描かれています。
家臣の数はそのままに、30万石から15万石の国へと移封されたところから米沢藩の貧窮が始まるわけですが、退っ引きならないところまできてしまった藩の経済をなんとかしようと立ち上がり、挫け、また立ち上がり、、、といった一見暗くなりそうなテーマをさらりと書き上げているところはさすが藤沢周平といったところでしょうか。
ハッキリいって特に大きな盛り上がりもなく、印象的なシーンがちりばめてあるわけでもなく、淡々と物語は進みます。
はっとするような美しいシーンが印象的な藤沢作品ですが、これまで読んできた作品と違う面白さがあります。
それは若くして藩主となった上杉治憲の人柄だったり、竹俣当綱や莅戸(のぞき)善政といった家臣達の血の滲むような奮闘だったりします。
物語は物凄くハードボイルドな終わり方をします。
まさにヘミングウェイを彷佛とさせるきれいな終わり方ですが、人によっては尻切れとんぼ、まだ終わっていないと感じるのではないでしょうか。
しかし私はその終わり方が他の藤沢作品にはない余韻を残してくれるような気がして大好きです。
あまり話題になりませんが、静かな感動を残してくれる名作と言えるでしょう。
by 306stylepremium | 2006-05-18 11:15 | 読書